バリアフリーの家に住んで

・・・ユニバーサルデザインの家に住んで・・・




                  

○ 新居の感想


○ 新居の感想 2005年3月

・新居
 
 金さん&和さんは夫婦ともに60歳を超えました。 (金さん:63歳、和さん:61歳)二人は40年余りの長い間、埼玉県大利根町から東京まで遠距離通勤をしてきました。二人とも勤めを辞めてからは、田園の多いこの町で、車椅子生活の金さんはインターネットライフ、和さんは菜園ライフと、夫婦それぞれの基盤を大事にして、楽しく暮らしています。
 しかし、定年ライフを楽しんでいるとは言いながら、日本人の平均寿命から思うと人生はまだまだこれからです。そこで、残りの人生をより有意義に暮らしていくために、生活の基礎になる、バリアフリーでユニバーサルデザインに配慮した新居を建てることにしました。
 新居の施工は、インターネットで見つけ、リフォームをやってもらったことのある幸手の白石工務店にお願いしました。2004年のことです。
 新居は
トステムのスーパーウォール工法(SW)で建てた家ですが、金さんが車椅子の生活のため、障害のある人や高齢者に暮らしやすいバリアフリー住宅(※1)でユニバーサルデザイン(※)に配慮した家になっています。そして、自然に優しい太陽光発電を取り入れて、オール電化の家にしました。
 
 2004年7月からこの新居に住んでいるので、実際に住んでいる感想を書いてみたいと思います。

1 新居を建てるとき考えたこと
 
 家の敷地が市街化調整区域内にあり周辺には田んぼが多いので、緑などの自然に配慮するとともに土地を有効活用したい。自分たち夫婦が年々歳をとり高齢になるので、家は見栄えよりも使いやすい家を建てたい。
 具体的には
@ 車椅子生活の金さんが暮らしやすく和さんも暮らしやすい家
A 南向きで明るい家
B 夫婦二人で暮らすので広くない平屋の家
C 火災や地震、洪水などにも配慮した家
D 屋内に家具などを出来るだけ置かないでシンプルな家

2 スーパーウォール工法(SW)の家の感想

@
 外からの空気を常に取り入れて、室内の汚れた空気を排出(循環システム)しているので、空気
 のよどみがなく臭いも屋内に残らない。
A 高気密・高断熱のつくりは、家のどこ(リビング、パソコンルーム、寝室、トイレ、 洗面、浴室)に
 いても、冬は暖かく夏は涼しいので、一年を通して快適に暮らせるのが 嬉しい。また、夏は冷房、 冬は暖房が長時間保たれるので経済的でもある。
B 高気密・高断熱になっているので、道路を通行する自動車などの外の騒音が聞こえないのも快
 適である。また冬場の結露が全くないのもありがたい。
C いままでの雨戸をやめて電動シャッターを取り入れたので、開閉が屋内で車椅子の生活をして
 いる金さんにも楽にできる。これは高齢者や障害のある人の住宅にお薦め。
D 金さんが、車椅子で屋内と屋外を自由に出入りできるように、玄関、屋内の各部屋の段差をす
 べて無くしたので移動に便利である。これも、高齢者や障害のある人の住宅に お薦め。
E 平屋の新居は床をすべて木質系のフローリングを張って平らにしたので、車椅子での移動、掃
 除が楽で、ダニなどの心配もない。
F 各部屋の仕切のドアを引き戸にして、普段は各部屋を開け放して使っている。
 高気密・高断熱のメリットがより生かされるように思う。
G 化石燃料(石油・石炭・天然ガスなど)の消費が地球環境を汚染しているので、太陽光発電を導
 入して地球環境の汚染防止にささやかな貢献をしている。発電して昼間家で使って余った電気は
 東京電力に売る契約をしているので、電気代の大幅な節約が期待できる。
H IHクッキングヒーターを利用しているので、ガス漏れによる火災などの心配がないのもだんだん
 高齢になる金さん&和さんには嬉しい。

3 スーパーウォール工法以外のことへの感想

@ 新居は145度に羽を広げたように設計されているので、一日中光が射し込み明るく冬は暖かい
 ので経済的である。
A 信州出身である金さんの長年の夢を実現して、北欧の薪ストーブを導入した。冬の寒さ対策だけ
 でなくリビングと屋根のアクセントにもなっている。
 薪ストーブは、家の中全体が電気の熱と違い柔らかい暖かさに長時間包まれるので嬉しい。薪代
 がかかるので経済的とは言えないが、スーパーウォール工法(SW)の家にも合うと思う。

4 まとめ

 家を建てるのは一生に一度あるかどうかという大事業です。
 金さん&和さんは、新居を建てるに当たって白石工務店に出会えたことは幸運でした。白石工務店の専務夫婦は金さん&和さんの子供ほどの年齢ですが、金さん&和さんの希望や夢を実現するために尽力してくれました。バリアフリーやユニバーサルデザインについて、いろいろ勉強したり、東京のトステムのショウルームに連れて行ってくれたのも、工務店の熱意が伝わり、金さん&和さんには嬉しいことでした。
 今回の新居の建築で、ユーザーと工務店とのコミュニケーションがいかに大事か再認識できたように思います。また、工務店の専務の弟さんはじめ、白石工務店のスタッフの皆さんに大変お世話になりました。この紙面をお借りして感謝申し上げます。

※1 バリアフリー住宅

 高齢者に限らず足腰が弱く、高低差のある通路や階段昇降が障害となる人々や車椅子を使っている人、また視力の弱い人などには狭い通路や便所や浴室は通りにくい。小さな段差や滑りやすい床は危険となり、廊下や階段には手すりが必要となってくる。こうした老人や身障者と健常者の間の障害・障壁を取り払うような住宅がバリアフリー住宅である。年をとってからそのような住宅に改造することも考えられているが、建てるときからそういった住宅にすることも大切だといえる。すでにスウェーデンやイタリアでは制度化されている。こうした住宅を作るには改造するにしても新築にしても、最近では公庫や銀行で融資してくれる制度がある。

(現代用語の基礎知識より引用)

※2 ユニバーサルデザイン

 高齢者や身体障害者だけでなく、一般の人にも使いやすい形の製品。バリアフリーをさらに発展させたコンセプトによるもので、誰もが共有できるものを目指している。

 ユニバーサル・デザインという概念は、1990年代にはいってからアメリカ・ノースカロライナ大学で提唱されるようになったといわれている。また、同大学にはユニバーサル・デザイン・センターが設けられている。
 しかし、日本でユニバーサル・デザインという言葉が頻繁に使われるようになったのは、99(平成11)年ごろからである。ユニバーサル・デザインは、ユニバーサル(普遍的)という言葉が示しているように、基本的には、できるだけ最大限の人々が利用可能なデザインを実現することを目的にしているといわれている。そのめざすところを要約すれば「誰にでも公平かつ自由に使用でき、容易に使用方法や情報が理解でき、無理なく安全に使える」ようなデザインの実現ということであろう。実際、あらゆる人々に対応できる多様性をもったデザインを実現するということは、きわめて難しい。年齢や性差、そして文化的差異、さらには個体差など、われわれには差異がある。また、差異がわれわれのアイデンティティにもかかわっている。そうした差異を超えてデザインすることが、いかに難しいことか想像できよう。

(現代用語の基礎知識より引用)

※3 トステムのスーパーウォール工法(SW)

 詳しくは、トステムのホームページをご覧ください。
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 トステムのスーパーウォール工法(SW)のホームページ