エッセイ(車椅子の視線から)

 ・・・ 2009年 1月〜2009年 6月 ・・・



 

アマリリスの花  
幸せですね!  
「うつ病治療 常識が変わる」を見て 
あきれた政治家!
病院の外来へ   
初孫   





○アマリリスの花 5月14日

今年もアマリリスの花が咲きました。
このアマリリスの花には思い出があります。
それは何年も前に金さんが二回目の脳出血から復帰して勤めていたことのある職場で一緒に働いていた友人の女性から頂いたものだからです。その女性は病気でご主人を亡くしていたのですが、子供たちを大学を卒業するまで育て上げました。

アマリリスの花が多年草であることから、頂いたその年に花が終わった後で、和さんが庭にじか植えにしたところ翌年から見事な花が咲くようになりました。

咲くだけでなく毎年少しずつ株が増えているので驚きです。
赤い花とピンクが混ざった花の二種類ですが綺麗な花なので毎年咲くのを楽しみにしています。



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○幸せですね! 4月13日 月曜日

 2009年4月に金さん&和さんで福島県の三春町に日本三大桜の一つ「三春の滝桜」を見に行ってきた。金さん&和さん共に三春の滝桜を見るのは初めてである。三春町は、少し無理をすれば埼玉県のわが家から日帰り出来ない距離ではない。車椅子の生活をしている金さんが一緒なので、「無理はさせまい」と、和さんが気を使い同じ福島県にある「かんぽの宿 郡山」を予約してくれていた。花見の旅行はちょうど見頃の頃に宿を事前予約するのが難しい。しかし、幸運なことに樹齢1000年を超えるという三春のベニシダレザクラ(紅枝垂桜)が金さん&和さんが見に行った日ちょうど見頃だった。バスツアーや自家用車などで来たのだろうか? 大勢の観光客が見事な桜の巨木を見ようと次々に訪れていた。

滝桜とよばれる古木はやや傾斜地にあった。そのため、桜の直ぐ近くに行って鑑賞するためには舗装してある坂道を100m程下ってから、また少し石段を登らなければならないのだ。電動車椅子の金さんが下り坂をエンジンブレーキで下りる時に、和さんが安全のため後ろで車椅子の押し手を持って二重に制動をかけてくれた。
車椅子の観光客も何組かいたが、老・老介護の夫婦らしい人達は下まで下りないで比較的平坦で安全な場所で鑑賞している。若い息子らしい人に車椅子を押されている人だけが傾斜地のやや下まで下りていた。
滝桜の幹の写真などは下に下りてからもっと側に近寄らなくては撮れない。近くの写真は和さんにお願いして、金さんは安全な場所で待っていた。
金さん&和さんでしばらくの間満開の桜を鑑賞してから、上りの坂道を電動と和さんの手押し併用で戻る途中で、「幸せですね!」と、老夫婦が声を掛けてくれた。他にも車椅子の観光客がたくさんいたが、和さんに車椅子を押してもらいながらお花見をする金さんが幸せそうに見えたのかも知れない。この頃の観光地は、バリアフリー化が進んでいるので、金さんのように車椅子の生活をしている人が以前よりも出かけやすくなった。嬉しいことである。

※参照 三春滝桜と大内宿の旅

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○ 「うつ病治療 常識が変わる」を見て 2009年3月9日 月曜日

 3月7日(土)の午後1時30分からNHKのBS2で「 あなたのアンコール サタデー」を見た。この日再放送された番組は2本で、今年2月22日(日)の午後9時から放送されたNHKスペシャル「うつ病治療 常識が変わる」と、今年2月25日(水)の朝放送された生活ほっとモーニング「リハビリ 回復をあきらめない!」である。

 NHKスペシャル「うつ病治療 常識が変わる」は、2月22日に金さん&和さんで一緒に見た番組である。そのときも、わが国でうつ病と診断される患者さんが多いことと、薬漬けにされている患者さんが多いことに驚いた。そして、「これが日本の医療の実態か」と心配になったが、もう一度番組を見て改めて思ったことがある。それは、うつ病の患者さんに毎日19錠も飲むように薬の処方箋を書く医者がいることである。放送では患者さんの話をよく聞こうとしないで処方箋を書いている医師が多いのにも驚いた。医師の前でははっきり言えない患者も多いという。しかし、それだけでなく患者や家族からよく話しを聞こうとしない医師のいることにもっと驚いた。
 脳出血の後遺症治療で循環器科に通院している金さんの場合、主治医は、通院の時必ず聴診器を叩いて診察してくれるし、血圧も自分でもう一度計ってくれる。勿論、話しも聞いてくれるので助かる。
 日本では、法律上アメリカやイギリスのような専門医制度を導入していないため、うつ病が疑われる人も最初内科に行く人が多いらしい。たしかに精神科、神経科、心療内科、(または神経内科)など、医療法において診療科目として広告することのできる科目の名称が多いので、「うつ病の患者さんを診るのは何科に行けば?」と迷ってしまうだろう。そこで、最初に行きやすい○○クリニックなどに行き抗うつ剤をだしてもらうことになる。そこにも問題があるように思えた。
 今までうつ病は「心のカゼ」と呼ばれて、休養を取って効果の高い抗うつ薬を服用すれば半年から一年で治ると考えられてきたようだ。ところが、現実には4人に1人は、治療が二年以上かかり半数が再発しているという。治療が長期化しているその背景を見ると、患者さんの多くが、不必要に多くの種類や量の抗うつ薬を投与されていたり(毎日19錠も飲んでいる患者さんの例が放送されていた。)、また診断の難しいタイプのうつ病が最近増加していることが専門家から指摘されているという。そのほかに、医師の技量レベルにばらつきがあることも放送されていた。
 よい医師に診察してもらい、適確な診断ができて処方もその患者さんにあっていれば、まさに「運がよければ」半年から1年で治るのがうつ病らしい。「運がよければ」では、うつ病の患者さんや家族は困るだろう。
 放送の中でイギリスが2年前から国を挙げて抗うつ薬に頼らず、カウンセリングでうつを治す「心理療法」を治療の柱に据えていて、効果を上げている様子が取り上げられていた。日本では、うつ病に「心理療法」が診療報酬として保険の適用がないという。そこで、たとえ医師がよい治療方法だと思っても、全額私費になるのも日本で「心理療法」が普及していない一因のようだ。

 放送を見て考えた。日本では、うつ病に限らずどんな病気でも医師の診察時間が短い。「3時間待ちの3分診療」という言葉があるくらいである。しかし、うつ病で長年苦しんでいる患者さんは、医師がパソコンの画面だけを見て診断がつくような病気ではないように思える。
 「医は仁術」であって「医は算術」ではない。うつ病だけでなく、医師と患者さんや家族とのコミュニケーションで適確な診断ができ処方も適切なものになる医療に、日本も一日も早くなって欲しいと思う。

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○ あきれた政治家! 2009年2月19木曜日

アメリカの金融危機をきっかけにした世界不況の影響が我が国にも未曾有の不景気となって押し寄せ困惑している国民が多い。そんな中イタリアで開かれた主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後の記者会見で中川財務・金融相が醜態を見せた。
繰り返しテレビで放映された映像を見る限り、酩酊状態でとても質問に答えられるような状態でないように見えた。それを見てただ唖然とした国民が多かったに違いない。
新聞の報道によると、中川大臣は永田町でも酒好きとして知られ過去にも酒で物議を起こしたことのある政治家であるらしい。麻生内閣で財務・金融相に起用されたときから、こういう事態を予想して心配していた政治家が自民党内にも大勢いたらしい。
イタリアから帰国後本人から報告と陳謝を受けて「体調をしっかり管理して、風邪を治して職務に精励してほしい」と麻生総理は指示したという。それを受けて中川財務・金融相は21年度予算の衆議院通過後に辞表を出すつもりでいたようだ。マスコミのこの報道にも「あれが風邪?」と驚かされた。しかし、繰り返しテレビで放映された恥ずかしい映像に、非難の声が野党だけでなく与党内にもあがったのは当然であろう。国民にも支持されないことから2月17日の夜ついにに辞任に追い込まれたのも当然である。
百年に一度という未曾有の不景気を麻生総理と中川大臣、そして政府与党は一体どう思っているのだろう。共同通信社が2月17、18両日に実施した全国緊急電話世論調査では、麻生内閣の支持率が13.4%、日本テレビが2月15日に実施した定例世論調査では、麻生内閣の支持率が、9.7%とついに1ケタ台に落ち込んだと発表したという。
そんな中で国民に信頼されない内閣に政治を預けている国民は、自分たちの生活を自分でまもるのに今日も必死である。

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 病院の外来へ 2009年01月24日 土曜日

 昨日1月23日(金)済生会栗橋病院の循環器外来へ行ってきた。定例の診察をして降圧剤などの薬を処方してもらうためである。ただ今回は、診察の前に血液と尿の検査もあるので予約時間よりも一時間ほど早く行くことにした。この頃インフルエンザが流行しているというので金さん&和さんもマスクをして行く。帰ってからうがいと手洗いをすれば予防になるだろう。循環器外来はいつも混んでいるが金曜日だけは比較的空いているようだ。朝9時半の予約だったが8時半過ぎの到着で循環器の受付が8番だった。外来の受付を済ませて直ぐに検査室で血液検査のための採血をしてもらう。金さんは車椅子のため何人かで採血している一番手前が定位置である。右手を自分では捲れないので和さんに手伝ってもらう。採血を済ませてからトイレで尿検査のための尿を取って検査室に出してくる。
 循環器の外来に戻る前に廊下の待合コーナーにいると皮膚科の受付で名前を呼ばれる。
 先日、和さんがこの日の循環器の外来にあわせて皮膚科も予約しようと病院に電話したとき、予約が満員で受け付けてもらえなかった。ならば当日皮膚科の外来でもし診てもらえるのなら診てもらおうと皮膚科の受付も済ませたらしい。
 血液と尿の検査結果が出るまでの約一時間、循環器の主治医に診てもらえないので、その間に皮膚科の診察をしてもらう魂胆のようだ。皮膚科で背中を見せていつもの外用薬を処方してもらってから、循環器の外来に戻ったが、まだ自分の順番まで数人間(ま)があるようだ。
 内科全体の中待合室で順番を待っていると、次々に呼ばれる診察室となかなか呼ばれない診察室に分けられる。循環器はなかなか呼ばれない診察室である。しばらくすると金さんの前のおじいさんが呼ばれたが運悪くトイレに行って居なかった。 おばあさんがそれを説明している。おじいさんが戻る前に金さんの名前が呼ばれた。実は待ちくたびれて和さんも今し方トイレに出かけていたのでちょっと躊躇したが、返事をして車椅子で診察室に入ろうとしていると看護師さんがドアを開けてくれた。
「おはようございます。」
「おはようございます。どうですか、何か変わったところありますか?」
と聞かれているところへ和さんが入ってきた。
主治医がカルテと検査結果を見ながら
「今日の検査結果は異常がありません。薬もこれで行きましょう。」と
胸に聴診器をあてて「こちらも問題ないですね」と次回3月の予約日を決めた。
受付で予約日の時間を決めてから会計に行って支払いを済ませて、処方箋を院外処方の薬局に電送してもらう。薬局は病院の目の前だが、着くとあまり待たないで薬がでてくる。
面白いのは薬局の駐車場である。いつも空きがあまりないので薬局も混んでいる?と思うのだが中には人が少ない。病院の駐車場が有料(¥100)になってから、無料で駐車できる薬局の駐車場が混雑するようになった。駅に近いので、中には通勤に薬局の無料駐車場を使っている人も少なくないようだ。

11時半頃和さんが家に帰ると
「蕃爽麗茶(バンソウレイチャ)続けてみる?」と笑って言った。

(写真は済生会栗橋病院のホームページからお借りしました)


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○ 初孫  2009年01月10日 土曜日

12月28日から孫を連れてわが家に帰っていた次女が1月5日桐生に帰っていった。
もう少しゆっくりしていても良いのだが1月7日に健診があるらしい。こちらに来るときに自動車で送ってきた寿司職人の夫君が、年末年始は仕事が忙しく迎えに来られないというのでおばあちゃんになった和さんが自動車で桐生まで送って行った。
金さん&和さんにとって赤ちゃんは初孫である。結婚している二人の娘になかなか子供が生まれなかったが、昨年9月に次女にようやく生まれた孫だった。



孫  作詞  荒木良治   作曲 大泉逸郎

なんでこんなに 可愛いのかよ 孫という名の 宝もの 
じいちゃんあんたに そっくりだよと 人に言われりゃ 嬉しくなって
下がる目じりが 下がる目じりが えびす顔

かって「孫」という歌がヒットしてカラオケでもかなり歌われたと聞いているが、確かに孫は子供と違い可愛らしい。一週間強泊まっている間にすっかり主役の座を奪われてしまった金さんだが孫が相手では不満だが仕方がない。
それでも次女が子供と一緒に帰ると少しさびしいが内心ホッとするから不思議である。
最近の金さん&和さんにとっての日常がいかに平凡でのんびりしたものであるかがこのことからもわかる。


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