エッセイ(車椅子の視線から)

 ・・・ 2012年 〜 ・・・




 ○    せめてもの抵抗−2
   “脳がよみがえる” 脳卒中に新リハビリ法






○ せめてもの抵抗−2

歩行器を使っての自主リハビリは今年も毎日続いている。
歩行器の歩行訓練は朝食後に歯を磨いた後に
兼ねてやりたいと思っていた歩行器を使っての室内での歩行訓練をはじめた。
「せめて室内だけでも歩行器で歩けるようになりたい」という、ささやかな夢に挑戦するためである。
しかし、二回目の脳出血の後遺症で五十二歳から車椅子を使い始めてもう18年になる。
しかも、何年か前からは、車椅子も自走車椅子から電動車椅子に変えてきているので、
自分の脚力が相当弱くなっているのも事実である。
だから、「室内にいる時間をすべて歩行器で歩けるようになろう」などという無謀な夢はもっていない。
来年は七十歳になるので、「少しでも若くいたい」という、自分の老いへのせめてもの抵抗である。

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○ せめてもの抵抗−2

○ 今度は脳梗塞!

4 脳梗塞(ラクナ梗塞)の時

@発症

 
2012年(70歳)のとき自宅で発症
 11月下旬に数日前から次のようなことが少しずつ進む
 ・ 食事のとき右手でも茶碗が重く感じる
 ・ 自主リハビリで歩行器での歩行が厳しくなる。
 ・ 入浴時に手すりにつかまっての歩幅が狭くなる。
 ・ ろれつが少しだけ回らなくなる。

が急激ではないので、私も妻も脳梗塞の発症とは思わなかった。妻が私が介護保険で世話になっているリハビリ看護センターに電話で相談すると病院の脳外科の受診をすすめられる。翌日の月曜日は寒く雨が降っていたので「病院に行くのを明日にしよう」と妻と相談し、火曜日に金さんのかかりつけの済生会栗橋病院の脳外科を受診した。CT検査で脳梗塞見つかるがMRIの検査を勧められ、水曜日MRI検査を受ける。脳外科で医師からMRI検査結果の詳しい説明を受け、脳梗塞(ラクナ梗塞)のため即日入院となる。
 

A後遺症

 左片麻痺(左手、左足) 右手、右足 のマヒはやや軽かった。

 言語障害(構音障害) 流涎(よだれ)が増える。



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○ せめてもの抵抗−2

昨年から始めた歩行器の使っての自主リハビリは今年も毎日続いている。
歩行器の歩行訓練は朝食後に歯を磨いた後に
兼ねてやりたいと思っていた歩行器を使っての室内での歩行訓練をはじめた。
「せめて室内だけでも歩行器で歩けるようになりたい」という、ささやかな夢に挑戦するためである。
しかし、二回目の脳出血の後遺症で五十二歳から車椅子を使い始めてもう18年になる。
しかも、何年か前からは、車椅子も自走車椅子から電動車椅子に変えてきているので、
自分の脚力が相当弱くなっているのも事実である。
だから、「室内にいる時間をすべて歩行器で歩けるようになろう」などという無謀な夢はもっていない。
来年は七十歳になるので、「少しでも若くいたい」という、自分の老いへのせめてもの抵抗である。

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○ “脳がよみがえる” 脳卒中に新リハビリ法

 テレビで、2011年9月4日(日)NHKスペシャル「脳がよみがえる〜脳卒中・リハビリ革命〜」と
 2011年9月14日(水)NHKの「あさイチ」で、「 本当に良くなった!脳卒中最新対策術 」 を
 金さん&和さんで見た。どちらの番組も、脳卒中の最新リハビリが特集の内容だった。
 番組には、脳卒中に新リハビリ法である(川平法)を開発した鹿児島大学の川平教授が出ていた。
 9月4日(日)NHKスペシャルの番組のキャスターは、これまでもNHKスペシャルで脳卒中のリハビリの
 取材をしてきた、藤田太寅(ふじた たかのぶ)さん(元NHK記者・解説委員で自らも脳卒中を経験)だった。
 藤田さんは、今もリハビリを続けているので、脳卒中の経験者であるだけに親しみを感じた。

 番組を見た後、インターネットでいろいろ調べて見ると、
 『脳がよみがえる 脳卒中・リハビリ革命』(主婦と生活社)が出版されていたの、ネット通販で購入して読んだ。
 著者の市川衛氏は、東大医学部卒でNHKのディレクターとして活躍しているだけに、内容はわかりやすく、
 テレビの番組だけでは理解が出来ないところも理解でき多様に思う。大変勉強になった。
 これまで脳卒中のリハビリでは、半身不随(片麻痺)になると、破壊された神経細胞は再生しないから、
 片麻痺は治療しても回復はしないとの考えが常識だったらしい。そのため、片麻痺の患者さんのリハビリは、
 麻痺のない下肢や上肢を鍛えて、歩行や日常生活が出来るようにすることが目標とされてきたと言う。
 それが、脳科学の進歩によって、脳の一部が破壊されても、損傷を免れた他の部位が損傷された部位の役割を
 代行する能力、可塑性があることが明らかになり、いくつかの麻痺を回復する治療が試みられたと言う
 鹿児島大学の川平教授が開発した新リハビリ法である(川平法)は、その例として紹介されていた。

 脳卒中は、たとえ命が助かっても体に麻痺が残ることが多くそのため介護が必要になることが多い。
 金さんは在職中に、二度(42歳と52歳)も脳出血で倒れた経験があり、リハビリによって二度とも復職を果たす
 ことができたが、二度目の脳出血は重症で、幸い一命は取り留めたものの四肢麻痺と構音障害の後遺症が残り、
 それからは車椅子の生活になってしまった。
 それだけに、東京都を退職後の69歳になる現在もリハビリには関心も深く、現在も介護保険の制度を利用して、
 訪問看護、訪問リハビリのサービスを利用している。
 また、妻の和さんの協力のもとに、毎日無理のない範囲で自主リハビリもやっている。

 開発されつつある脳卒中の新しいリハビリ法が、金さんのような病気から年数が経った後遺症のあるケースにも
 効果があることを期待して番組を見たり本を読んだ。自分の経験から言っても、病院に入院中のリハビリに続いて、
 自宅での自主リハビリなどを継続して続けることで“脳はよみがえる”と確信している。

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