・・・ 2004年1月〜6月 ・・・
○ 花とルー
○ 満願寺の枝垂れ桜
○ 卒業式の記念講演
○ ハイテク犯罪に気を付けよう!
○ 和さんのケガ
○ ピンチと絆
○ お正月と年賀状
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○ 卒業式の記念講演 2004年3月12日
3月5日(金)に青梅看護専門学校の卒業式の記念講演に招かれたので概要を報告します。。
・講演の依頼
昨年秋に「本校の卒業式の記念講演をお願いできないでしょうか」という依頼がメールであった。
学校の副校長が知人に紹介されて『車椅子の視線から』のホームページを見てメールをくれたようである。
「4月から看護師(社会人)となる学生へのメッセージと車椅子の生活になった自分自身の体験を話してくれませんか」
という内容である。
金さんも東京都に在職中、看護専門学校の学生や都立病院に採用した看護師への講演はやったことがある。
だが卒業式の記念講演ができるだろうか?若干の不安があった。
メールが届いたちょうどその頃、病院建築の専門雑誌に載せる原稿を執筆中であったからである。
しかし原稿を書きあげた後の目標が欲しかったので軽い気持ちで引き受けた。
・講演の準備
講演の準備に取りかかったのは年が明けてからである。
看護専門学校の担当係長にメールで連絡しPowerPoint(パワーポイント)が使えることを確認してあった。
「講演では、プロジェクターを使えればありがたいです。だいぶ改善しているとは言いながら、
言語障害のため長時間話すと聞き取りにくくなるので、PowerPoint(パワーポイ ント)を使ってできるだけ
学生さんにわかりやすい講演にしたいと考えています。
とはいうものの、私は、まだ講演でプロジェクターを使ったことがありません。
パワーポイントでの原稿作成もはじめてですが、何事も挑戦ですのでこの機会にパワーポイントを使って
原稿を作り講演をやってみようと考えています。」
講演での過去の経験から話だけでは単調で聴く方がつまらないし自分も疲れてしまう。
その上言語障害で聴きにくい点もあるので、思い切ってパワーポイントのスライドを利用しようと思ったのである。
とはいってもPowerPoint(パワーポイント)のスライドを見てはいたが作るのは初めてである。
パソコンにパワーポイント2000がインストールしてあるのだが利用したことがない。
「何とかなるだろう!」と、本箱からパワーポイント2000の参考書を出して勉強を始めた。
ソフトを起動して画面を見ながら本を見るのだが、どうしても理解できないところがある。
いろいろやってみるうちに一週間後ようやく理解できた。
パワーポイントでまとめた講演原稿を二月中に看護専門学校の担当係長にメールに添付して送り
実際にプロジェクターで写してみて文字のサイズや色なおで見にくくないか教えてもらい手直しした。
・講演の前日
金さんの家から青梅看護専門学校までは、埼玉県の北東の端から東京都の多摩までなので
電車を使うと100キロ以上ある。
しかし道路地図を見ると関越自動車道から圏央道が一部開通しているではないか。
車で行くことにし講演がはじまる午前10時に遅れないようにと前の日は青梅かんぽの宿に泊まることにした。
妻の和さんの運転で4日の11時頃家を出て加須市から関越自動車道のインターがある東松山市に向かう。
東京方面へ少し走ると高坂SAである。高坂SAでトイレ休憩と昼食をとった。
休憩して鶴ヶ島JCTから圏央道で行くと青梅は驚くほど近い。
これなら健常者は朝からでも間に合いそうだ。しかし、多摩と北東埼玉では天候が随分ちがう。
家を出るとき晴れていた空が青梅に着くとみぞれに変わっていた。
明日の卒業式は大丈夫だろうか?と心配になる。
青梅かんぽの宿に着いてから、「青梅看護専門学校までどのくらい時間がかかるか確かめてみたい」と
和さんが言うので走ってみる。その頃にはもうみぞれがやんでいた。
青梅の街はあちこちに梅が咲いていて綺麗だった。
夕暮れどきかんぽの宿の窓から見える多摩川を見た。
曲がりくねって流れる岩の上にいるのは川鵜だろうか?じっと川面を見て動かない。
少し下流にいたもう一羽の川鵜(?)が突然川の流れに飛び込んで見えなくなった。
静かな多摩の夕暮れである。
・講演の当日
3月5日の卒業式の日は晴天である。
青梅かんぽの宿から20分程で青梅看護専門学校に着いた。
学校の職員に挨拶して、講演の打ち合わせをする。
講堂が二階ということなので、事前に一階にある障害者用トイレに寄っておく。
10時少し前に男子の学生が数人控え室に迎えに来た。
会場がある二階への階段の昇降と講堂の壇上への昇降を手伝うためだ。
金さんの体重が60キロ、簡易型の電動車椅子が23キロなので、
二階への階段は男子学生にも大変である。
それでも、踊り場で休むことなく一気に登り切った。
「車椅子の人を運ぶときは車椅子の向きを上向きにしてずり落ちないように」とか
「車椅子の何処を持ったら良いか」とか、
「降ろすときは車椅子の後部からゆっくり降ろす」とか、
看護専門学校の教師が親切に指導しながら実践してくれた。
車椅子生活の障害者が学校に行くと、学生もバリアフリーについて考える良い機会になると思った。
講演は一時間半の予定である。
講堂には予定通りパワーポイントのスライドを使うためにプロジェクターがスタンバイしてある。
講堂の壇上に運んでもらうと、右側に机が置かれていたので車椅子でそこに移動する。
担当者が首にかけるマイクを用意し水差しを運んでくれたので、あらかじめコップに半分ついでもらう。
壇上から見ると学生と教職員で300人位いるだろうか?
司会者に紹介されておもむろに講演をはじめた。
講演をはじめてから、暗いので用意してある手元の資料が見えないので困った。
だが、暫くして担当者がスタンドを用意してくれたので助かった。
講演では
・自分の現在の生き方(インターネットライフ)
・インターネットでボランティアもやっていること
・インターネットで交流することが「心のリハビリテーション」になっていること
・インターネットライフで生きがいも見つけたこと
・自分の脳血管疾患歴
のことなどを自分のホームページを紹介しながら話した。
脳出血の後遺症で52歳から車椅子の生活になったけれども、良き伴侶、家族、職場の上司、同僚、
友人など多くの幸運に恵まれて復帰できたことを話した。
そして、いつもポジティブ(積極的・肯定的)に生きていると運を掴むこともできることを話した。
講演が終わると質疑の時間に
「バリアフリーでない学校でどんなことを感じましたか?」と学生から質問があった。
「この学校はバリアフリーではありません。でも、二階への階段の昇降や講堂の壇上への昇降を手伝うなど
看護の心でバリアをカバーする「心のバリアフリー」が感じられ嬉しかったです。」と答えた。
最後の学生の代表から花束を贈られたので金さんも感激した。
・講演を終えて
卒業式の記念講演という大仕事を終えてホッとしている。
引き受けるときには不安もあったが、終ってから、引き受けて良かったと思っている。
つたない話しではあるが、学生が現場に出たときに何か思い出してくれたら嬉しいと思う。
青梅看護専門学校の校長先生、副校長先生はじめ職員の皆さん、そして学生の皆さん
お世話になりありがとうございました。
○ 「ハイテク犯罪」に気を付けよう! 2004年1月26日
最近電話を使った「オレオレ詐欺」が多発しているとニュースで報道されている。
孫を装った犯人から「オレオレ、いま交通事故を起こして被害者の家にいる。3時までに振り込めば示談に
してくれるというのでおばあちゃん急いで銀行に振り込んで!これは僕が返すからお母さんには言わない
でね!」
というようなことをいわれ何十万円も振り込んだのに、詐欺に気が付いたときには銀行から全額
引き出されていたというような手口が、つい先日もNHKの『生活ホットモーニング』で紹介されていた。
「オレオレ詐欺」は高齢者ほど被害にあいやすいというので、「電話を使ったオレオレ詐欺にだまされない
ように気を付けよう」と夫婦で話していたら、夕べ金さんに、アダルト関係の有料情報閲覧料の請求を装う
メールが送られてきた。
これまでも、アダルト情報のページにリンクを張ったメールや、画像を添付して一方的に送られるメールは
きていたが、すべて無視して「メールのゴミ箱」に捨ててきた。
今回のように具体的に金額を入れて請求メールがきたのは初めてである。
ハイテク犯罪の手口は巧妙だという。
被害者が、面倒なことに巻き込まれることを嫌って支払ってしまいやすいように2〜3万円と比較的少額の
ものが多いらしい。このようなメールの送り手は、相手がメールアドレス以外の情報を持っていない場合が
多いという。
埼玉県警のホームページでそれを知っていたので、金さんはこの請求は無視することにした。
それでも、なおメールが送られてきたら、埼玉県警のハイテク犯罪対策係か近くの警察署に相談しようと
考えている。
※参考
埼玉県警のハイテク犯罪対策係のホームページ
http://www.police.pref.saitama.jp/jikenjiko/seianbu/seian/sean0010.htm
インターネット利用上のトラブル防止について
http://www.police.pref.saitama.jp/jikenjiko/seianbu/seian/sean0014.htm
都道府県警察本部のハイテク犯罪相談窓口等一覧
http://www.npa.go.jp/hightech/soudan/hitech-sodan.htm
※ 送られてきた詐欺メールの文面
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妻の和さんの足のケガがだいぶ良くなった。
医師から「無理をしなければ運転してもいい。」と言われていたので
昨日の夕方、外来の空く頃を見計らって自分で車をゆっくり運転して
病院に行き抜糸をしてもらってきた。
経過が良いようで縫ったところがうまくくっついたようだ。
ただ、ケガのあるかかとの側は筋肉をよく使うところなので、
決して無理をしないように医師からきつく言われたという。
もともと働き者で、いつも何かしていないと落ち着かないという性格なので
ケガで休んでいると罪悪感に襲われるという。
金さんのように大病したことがないので、病人にはなれないのだろう。
先週、娘たちが交代で手伝いに来てくれたときも
「介護する人が介護される人になっちゃった!」と落ち込んでいた。
落ち込むと鬱になる恐れもある。
そうならないためにも、経過を見ながら少しずつ和さんの仕事を増やそうと思う。
手始めに今日は昼風呂に入れてもらった。
ミカンの皮を入れたお湯につかりながら
和さんが一日一日元気になっていくのが嬉しいと思った。
○ お正月と年賀状 2004年1月7日(水)
2004年のお正月は暖かい日が続いて久しぶりにのんびりと過ごした。
例年は子供たちの他に、金さんの兄姉妹や甥や姪たちがきて、
賑やかに新年会をやっているが、昨年12月に義母の一周忌をやったばかりなので
今年は家族だけで過ごすことにしたからである。
元旦は、嫁いでいる娘たちがやってきたので賑やかに過ごせて嬉しかった。
嬉しい反面、夜娘たちがそれぞれの家へ帰るとホッとする。
娘たち若い者には若い者の、金さん&和さんには熟年の過ごし方があるのだから
これからもお互いに、それぞれの気持ちのわかる親子の関係でありたいと思う。
二日と三日にはテレビで箱根駅伝を楽しんだ。
駒大が順当に3連覇したが、予選会から勝ち上がった亜細亜大が総合三位、
法大が総合四位に入ったのは見事だった。
金さんにとって、年賀状はお正月の楽しみの一つである。
車椅子の生活になってから、ふだんの付き合いが減っているので、
年賀状で友人たちの近況を知ることができるのはありがたい。
「年賀状は儀礼的な習慣なのだからもう止めよう」という声も少なくないが、
国や都道府県、市町村などが、事務の軽減や経費を削減するために年賀状をやめるのとは違い、
個人間の年賀状は交流におおいに役立っているので、これからも続けようと思う。
ニュースによると、年々減り続けた年賀状の売れ行きが今回は増えたそうである。
日本郵政公社になってから、今回は初めての年賀はがきの発売だったことも
影響しているに違いない。
今年金さんの所に来た年賀状をみると特徴が三つある。
一つは手書きが減り、パソコンで印刷したものが増えたことである。
二つは印刷にデジカメの写真を使った印刷が増えたことである。
特に 子供を撮ったデジカメ写真の年賀状が多いのに驚く。
三つは年賀状にメールアドレスの印刷してあるものが増えたことである。
金さんは1998年の年賀状から自分のホームページ『車椅子の視線から』の
案内をしているが、今年はそれに金さん&和さんの『熟年夫婦の田園生活』の
案内を書き加えた。
今年届いた年賀状に、自分のホームページのURLを書いてある年賀状もちらほらあるので、
楽しみも増えた。
個人のホームページが増えているのは嬉しいことである。