金さんのリハビリ日記





2003年10月から介護保険の訪問リハビリのサービスを受けることになった。自主的なリハビリと訪問リハビリで障害を少しでも改善し、併せて老化予防に役立てたいと思う。2004年4月12日からホームページ・ビルダーV8に標準で付いている日記作成機能を利用した。


2007年1月27日(土)
自主リハビリ

毎朝食事が済んでから金さん&和さんで必ずやるものがある。
金さんは自主リハビリの一環でお立ち台に立つことであり、
和さんはピアノの練習である。
今年からそれに二人で一緒にやるスクワットが加わった。
さぼることなく毎日続いているのは、それがわずか10分前後で
きつくないからだと思う。
訪問リハビリの理学療法士(PT)のSさんに話すと
「それは良いですね、少しでも毎日続けるのが大事なことです。」
と言ってくれた。

2005年7月13日(水)
自主リハビリ

今月から毎朝10分間お立ち台に立っている。
立っている間に言語障害のリハビリもやる。
アエイウエオアオエオ
カケキクケコカコケコ
 〜〜〜〜〜〜〜
ワエイウエオワオエオ
まで5回、大きな声を上げて繰り返す。

しばらくさぼっている間に、日常の口のまわりが悪くなったようだと、
自分で気がついたので再開
した。
自主リハビリは誰のためでもない。自分のためにやる。
お立ち台の上で大きな声をだしているので
猫のミイが、不思議そうに小首をかしげて金さんをみていた。

2005年1月10日(月)
今年も頑張るぞ!

今年のお正月は久しぶりに雪がありました。
金さんは二回目の脳出血から10年生き延びています。
“門松は 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし”
というのは、室町時代の臨済宗大徳寺派の禅僧 一休 宗純(いっきゅう そうじゅん)が著書の「狂雲集」に残していることばですが、60代になるとお正月もその通りですね。
ことしいただいた年賀状を読んで「あの人も故郷に帰ったのか。」「この人は田舎暮らしをしながら、障害のある子供と老親とおだやかに暮らしているのか。」などと、なつかしく思い出しました。
それぞれの人生ですから、それぞれ好きなところで好きな人と暮らすのが幸せでしょう。金さん&和さんは利根川河畔の町に建てた、バリアフリーでユニバーサルデザインの新居で今年も仲良くやっていきます。

そうそう、リハビリテーションですが今年も訪問リハビリを中心において車椅子の生活が楽しくできるようにいろいろ挑戦したいと思います。

2004年11月29日(月)
訪問リハビリ

朝晩だいぶ寒くなった。
寒くなると筋肉の動きが悪くなる。
それでも和さんが早起きして薪ストーブをたいてくれたのでいつもよりは調子がいい。
9時過ぎに訪問リハビリをお願いしているフロンティアから作業療法士(OT)のKさんがやってきた。
いつものように血圧と脈を計って体調に変わりがないかを質問する。
正直に寒いと身体の動きが悪いことを伝える。
Kさんは筋肉や関節を伸ばす柔軟体操のストレッチをやり、この日、お手玉を使って左手の動きをみてくれた。
左手は物を掴もうとすると緊張して良く掴めない。
お手玉を一つずつ掴んで十五個サークルの中へ移動させるのに約一分かかった。
右手では約20秒だから左手は三倍かかったことになる。
今までパソコンのキーボードを押すのにいつも右手の中指だけで押していたが、これからは左手も使う方がリハビリになるとKさんが言った。
最後に四点杖でリビングまで歩行練習、腰を伸ばしてもう少し前を向くといいらしい。
姿勢を直しながら歩行の練習、将来家の中が四点杖で歩けるようになれば嬉しいのだが、あせらず少しずつ頑張ろうと思う。

2004年8月22日(日)
自主リハビリと夏

夏の間自主リハビリを軽めにやっていたが朝晩の涼しさが感じられるようになったので普通のペースに戻して二日目である。朝食の後歯磨きとトイレを済まし、廊下の手すりで屈伸を20回やった。左手のシビレと痛みが相変わらずで握りが弱い。
その後で自分のパソコンルームの縦に手すりをつけてもらったところでお立ち台に約10分間乗った。立っている間窓から田んぼの向こうの道路を走る自動車が良く見える。イスに座ると道路が全く見えないのだが、こうして立っていると見えるので不思議な気持ちである。
お立ち台の乗り降りの時妻の和さんに手伝ってもらう。
日課が終わるとテレビで「報道2001」を見た。
まだ残暑がきびしそうなので、無理をせずのんびり自主リハビリをしようと思う。

2004年7月6日(火)
訪問リハビリ

7月最初の訪問リハビリは新居ではじまった。

2004年5月21日(金)
リハビリ教室

昨年一度見学した町の「リハビリ教室」、4月に一回参加しているが久しぶりの参加である。
小雨の中を和さんに車で送ってもうと参加者がもう集まっていた。

最初に看護師が@血圧と脈拍を測定する。
それが済むと隣の部屋に移り、手伝ってもらって車椅子から肘無しのイスに移る。
ストレッチ運動をやるときに、動きやすいようにするためである。

リハビリ教室担当の保健師の挨拶で今日のリハビリ教室がはじまった。
今日の参加者は4名である。済生会栗橋病院からリハビリ教室の指導に来ている理学療法士(PT)のI先生、
保健師、看護師2名が付いてくれるので、マンツーマンでの指導になった。

まず前回見学したときのようにAみんなで歌を2曲歌う。順番に当番になって選曲するらしい。
「今日は金子さんの番ですよ」と言われたので、配られた歌詞のプリントの中から、
無造作に1番の「さざんかの宿」と2番の「北国の春」を選曲した。

看護師がCDをセットしてそれにあわせてみんなで歌ったが、選曲が悪い(自分が選んだのだが)のか
キーが高くて金さんは声が出せない。仕方がないので口だけ動かしていた。


その後でBみんなでストレッチ運動をやった。
はじめはイスにかけたままで腕を回したり、首を回したりした。
次はマットに下りてやる運動である。
金さんだけイスからマットに一人では下りられないので、看護師と和さんに介助してもらう。
今日リハビリ教室に参加している4人は金さんだけが車椅子で他の人は全員歩ける(杖の必要な人もいるが)。
みんなやるストレッチ運動が終わると個人個人のストレッチ運動である。
理学療法士のIさんが金さん用の個人メニューを用意してくれていたので、C個人メニューに沿ってストレッチ運動をやった。

○金さん用の個人メニュー

・片膝抱え込み・・左右交互3回
・膝を立てて左右交互に倒す3回
・膝を立てて腰を浮かす  5回
・膝を立てて上体を浮かす  5回 
・イスに座り腰を左右にひねる。5回
・腰掛けて足を交互に持ち上げる。5回
・腰掛けて足を交互に伸ばす。5回
・立ち上がり 3回

理学療法士にみてもらいながらやったが、毎週1回訪問リハビリでやっているのと同じような運動もあった。
少しきついのでマイペースでゆっくりやったが、ばててしまった。
個人メニューが終わると、全員でDお茶を飲みながら雑談をした。
話すことが家に閉じこもりがちの人には「心のリハビリテーション」になると思う。
この町にはリハビリをやった方が良い人は多いという。
それなのにリハビリ教室の参加が少ないのは何故だろう。
人手も予算もかかっているので利用者が少ないのはもったいないと思う。


金さんは、介護保険で毎週1回の訪問リハビリを利用し、今年から毎月2回の町のリハビリ教室を利用している。
それに、家で毎日少しずつの自主リハビリをやっている。

自主リハビリには、廊下で手すりを使ってやる屈伸や、お立ち台に立つリハビリの他に、
書斎でパソコンリハビリテーションもあるので結構忙しい。
それでも加齢による老化が進むのだから

これからも、日常生活の中にリハビリを自然に組み入れてやっていこうと思う。

2004年5月10日(月)
フロンティア

今日の訪問リハビリの指導は久しぶりに作業療法士(OT)のKさん(男性)だった。
間を一ヶ月以上開けて久しぶりにきたので、金さんの微妙な変化の様子がが感じられるという。毎週一回の訪問リハビリと毎日少しずつやっている金さんの自主リハビリの積み重ねが、効果に現れているのかも知れない。Kさんが前回来たときよりも、金さんの腹筋や立ち上がりの動作に進歩が見られるという。
先週来た理学療法士(PT)のSさんも、その前の理学療法士のSさんも同じことを言っていた。

昨年10月に金さんが訪問リハビリを利用しはじめて半年以上経過した。
訪問リハビリをお願いしている「リハビリ看護センター フロンティア」(http://www.frontier5.com/) は理学療法士のSさんが昨年3月に立ち上げ、5月に活動を開始したので一年経ったという。
大都会と違い、人家の密集していない地域も多い埼玉県東北部で、訪問リハビリや訪問看護の事業を理学療法士や看護師が個人で立ち上げているのは勇気もいるので貴重である。半年間利用してみたが、指導も適切でサービスも良くスタッフも若いのによく頑張っていると思う。
介護保険のサービスを利用している障害者の一人として、フロンティア精神で頑張る若い彼らにエールをおくりたい!

2004年5月3日(月)
リハビリの成果でてくる!

今朝トイレの便座に座っていて気が付いた。
昨年、訪問リハビリを始める前は、便座に座るとお尻が痛いと感じいていたのが痛くなくなったのだ。
週一回の訪問リハビリと、毎日廊下の手すりを利用してやっている自主リハビリの立ち上がりの練習(屈伸)などが重なって少しずつ成果が出てきたのだ。

今日の訪問リハビリに来てくれた理学療法士(PT)のSさんにそれを話すと、「腹筋なども始めた頃よりだいぶついています。」と言っていた。
例え少しずつでも、毎日の積み重ねは馬鹿にならないと思った。

2004年4月15日(木)
町のリハビリ教室に参加

町の保健センターでやっているリハビリ教室に参加した。
午後1時半から3時半というリハビリ教室の時間は金さんにとってちょうど昼寝の時間帯に重なる。しかし、事業計画がそうなっているのだから利用者はそれに合わせるより仕方がない。昨年見学の時高齢の男性が4人だけきていたリハビリ教室は新年度に入っても増えてはいない。金さんを入れて5人である。リハビリ教室担当の保健師と看護師が3人いて、看護師が始める前に血圧と脈拍を計ってくれた。済生会栗橋病院の若い男性の理学療法士(PT)が今日は県内の大学に学ぶ理学療法士の卵の女性を実習に連れてきた。8週間済生会栗橋病院で実習をやるのだという。
最初は参加者全員でカラオケを2曲、高齢の参加者の希望で「さざんかの宿」と「知床旅情」を歌う。キイが高くて金さんはあまり声が出なかった。
その後で、車椅子から手すりのないイスに移ってストレッチ体操をやる。一通り終わった後で、簡易ベッドの上で理学療法士が個人メニューをつくるために手足を動かしていろいろテストした。次回のリハビリ教室までには金さんの個人メニューができるらしい。それができれば、自主リハビリにも使えるという。
終わった後で、例によって15分ほど全員でお茶を飲みながら世間話をした。
夜、イラクの邦人人質解放のニュースを見ながら眠ってしまった。普段使わない筋肉を使ったので疲れたのだろう。

2004年4月13日(火)
自主リハビリ

朝自主リハビリとして廊下の手すりを使って立ち上がりの練習を20回やった。足に少しずつ力をかけて腰を落としていくのが難しい。
ベッドからの立ち上がりが、いつか柵に掴まらずにできるようになると嬉しいのだが、果たして可能なことなのか?
また、可能とすればそれはいつのことだろうか?

2004年4月12日(月)
リハビリ日記

リハビリ日記をホームページ・ビルダー8に標準でついているものに変えてみた。
なるべく簡単で、できるだけ長続きする日記にしたいと思う。

今日は朝から良い天気でさわやかだ。訪問リハビリの今日の担当は斎藤さんだった。リハビリをやりながらいろいろ話してみるとフロンティアを立ち上げてからもう一年になるという。病院を辞め個人でリハビリ看護センターを立ち上げたのはすごいと思う。
訪問リハビリの需要はこれから地域で益々増えてくると思う。介護保険でサービスを利用できるのだから、訪問リハビリをやってくれる事業所がもう少し増えて欲しい。

金さんの訪問リハビリは少しずつ効果が上がっているようだ。
特に腹筋が強くなり、起きあがるのがだいぶ楽になった。ベッドから起きあがるときに、手すりに頼っていた起きあがりが手すり無しでも何とか可能になったのは嬉しいことである。





休むのもリハビリ!
介護保険と訪問リハビリ
2004年最初の訪問リハビリ
リハビリ教室の見学
さすがリハビリテーションのプロ!
第三回訪問リハビリ
第二回訪問リハビリ
訪問リハビリ・・・第一回
訪問リハビリの開始
はじめに



休むのもリハビリ! 2004. 4. 4(日)

町の保健センターでやっているリハビリ教室を見学したのは昨年11月である。
それ以来急に寒くなったのと、新年はバリアフリーの家の新築工事が始まったり、
和さんの大怪我で車が運転できないなどが重なり
とうとう旧年度中リハビリ教室へは行かなかった。
3月の終わりに保健センターのリハビリ教室担当の保健師さんが
久しぶりに家庭訪問にきて「新年度のリハビリ教室は4月1日から始める」と
教えてくれた。
その時に「暖かくなったので今年は参加して見ます」と答えたが、
今年は桜が例年よりも早い。桜が好きなので3月中に幸手市の権現堂桜堤のお花見を
終え、「次のお天気の日に行田市の満願寺の枝垂れ桜を見に行こう」と
和さんと相談していたら運悪く次に晴れる日は4月1日だという。
当日予報通り晴れたので午前中に花見をして午後はリハビリ教室に出ようと決意した。
ところがこんな時ほど失敗をすると自分でもあきれてしまった。
満願寺で桜を見て、デジタルカメラに記念の写真を残そうとして、
デジカメのCFカードを忘れたことに気が付いた。
何とか苦労して携帯電話で写真は撮ってきたが、家に帰ってから
今度はパソコンに画像を取り込む方法がわからない。
そんなこんなでドッと疲れてしまい結局午後のリハビリ教室はお休みした。
次のリハビリ教室は4月15日だそうである。
訪問リハビリにリハビリ教室、そして自主リハビリと無理をして疲れないように
楽しくやっていこうと思う。


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介護保険と訪問リハビリ 2004. 1.26(月)

今月最後の訪問リハビリに「フロンティア」のSさん(理学療法士の女性)が新人の女性を一人連れてきた。
女性は作業療法士で「Kです、よろしくお願いします。」と名乗った。少し話してみると病院勤めをしてから
リハビリ看護センター「フロンティア」に移ってきたという。
フロンティアで金さんのところに訪問リハビリに来てくれるスタッフがこれで4名(理学療法士2、作業療法士2)に増えたことになる。
病院に勤める理学療法士や作業療法士が、地域で訪問リハビリをやる事業所に移ってくるのは利用者にとっても嬉しい。というのは、
在宅でリハビリをやりたいと思っても訪問リハビリをやる事業所がわからないで諦めている人が他にもいると思われるからである。
折角、介護保険に訪問リハビリという嬉しいサービスがあっても利用できなければ絵に描いた餅になってしまう。
だから選択の幅が広がることは大歓迎である。

だいたい介護保険の数あるサービスの中でも、訪問リハビリはサービスを受ける人の自立に一番結びつくのではないかと思う。
訪問リハビリは、利用者の日常生活での問題点の発見とそれに対する対応策を専門家が教えてくれるのである。
そして、利用者に適したリハビリを実際にやって、訪問リハビリがない日にも自分でリハビリをやる方法を教えてくれる。
それによって利用者の行動が積極的になり、介護認定でも要介護の人の認定が重くならないとすれば、
介護保険制度の本来の目的にも貢献するように思う。
とはいいながら、まだ訪問リハビリのサービスをやってくれる事業所は少ない。
理由はいろいろあるだろう。勤めてくれる理学療法士/作業療法士がまだ少ないこともその一因かも知れない。
病院のリハビリテーション科にいて、リハビリテーションの必要な人に組織で対応していくのはある意味でそれほど難しくはない。
それと違い地域に出て訪問リハビリに従事するには勇気が要る。
その点フロンティアを立ち上げたSさんは立派だと思う。
また、Sさんとともに活躍しているスタッフの皆さんにも声援を送りたい。
これから訪問リハビリをやる事業所が全国に増えるには、介護保険の見直しとともに、理学療法士や作業療法士の人たちが、
リハビリテーションの本来の意義と自分たちの役割に目覚ることが重要なことだと思う。

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2004年最初の訪問リハビリ 2004. 1. 5(月)

2004年最初の訪問リハビリにフロンティアからやってきたのは理学療法士(PT)のSさんだった。
「おめでとうございます。今年も目標を持って頑張りましょう!」とリハビリをはじめる。
とはいいながら、今年初めての訪問リハビリなので、軽いメニューではじめた。
「年末年始のお休み中に変わったことはありませんか?」
「特にありませんが、大晦日の日に夕方調子が悪く夕飯を食べないで横になりました。
 でも、紅白の『美川憲一と小林幸子の対決』の前に起きて『行く年来る年』の除夜の鐘
 をきいてから、ねました。そうそう、パソコンのやりすぎのためか右腕の肩の所が少し痛い
 のですが。」と金さんが聞くと
「膝の上で両手を組んで腕を伸ばしてみましょう。時々そうやって筋肉の疲労を和らげてやると
 こうかがあるんですよ。」とSさんが教えてくれた。
腕と足のストレッチと運動を終わって
「全体的に身体はそれほど硬くなっていないようですね。」という評価だった。
週一回ではあるが、訪問リハビリは効果がある。
訪問リハビリの日ストレッチや筋肉トレーニングをやるだけでなく、
普段の日にやる自主トレの方法も教えてくれる。
今年も、楽しみながら訪問リハビリを利用していきたいと思う。

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リハビリ教室の見学 2003.11. 13 (木)

町の保健センターで月2回リハビリ教室をやっている。
福祉祭りの日にそれを知ったので、13日のリハビリ教室を見学に行ってみた。
この日の参加者は少なく3名で男性だけである。欠席者がいるらしい。
済生会栗橋病院から理学療法士(PT)が一人指導にきていた。
保健センターの保健師、看護師が参加者と共にリハビリ教室についている。
はじめにみんなで歌を歌ってリラックスする。
ところが歌が演歌で言語障害のある金さんには難しい。
リハビリ教室には、金さんのような言語障害のある人や、
歩けなくて車椅子の生活をしている人は来ていなかった。
後遺症が割合軽い人向けにやっているようだ。
歌の後、椅子に座ったまま体操をやる。
次は、床に座って運動である。
椅子に座っての運動は金さんもやってみたが、床に座っての運動はできなかった。
その後二人でお手玉を投げ合う運動をして運動が終わる。
運動が終わるとみんなでお茶を飲みながら世間話をした。
リハビリ教室で軽い運動をして、町の仲間と話し合うのが
障害のある人で家に閉じこもりがちな人には良いようだ。
金さんもリハビリ教室に出られる日には参加して見たいと思った。

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さすがリハビリテーションのプロ! 2003.11. 3 (月)

10月26日と11月3日の月曜日フロンティアから交代で訪問リハビリにやってきた。
介護保険で訪問リハビリのサービスを利用するようになって約一ヶ月、5回の訪問リハビリで
ようやく軌道に乗ってきたような気がする。
いつの間にか毎週一回約一時間の訪問リハビリが待ち遠しくなっているから不思議だ。
訪問リハビリをはじめるまでも、自主的なリハビリを全くやらないではなかった。
お立ち台に毎日十分立ったり、家の中の歩行も妻の手を借りて四点杖で少しだがやっていた。
その自主的なリハビリで自己満足していたのとは違い、
リハビリの専門職である理学療法士(PT)や作業療法士(OT)がやってくれるリハビリは
一つひとつ理にかなっていることが金さんにもわかる。
だから、リハビリの効果も少しずつあがるような気がしてきた。
訪問リハビリのたびに理学療法士や作業療法士から運動の方法や力の入れ方、抜き方を少しずつ教えてもらいながら
訪問リハビリが無い日も効果的な自主的リハビリができるようにして行きたいと思う。

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第三回訪問リハビリ 2003.10.20 (月)

朝、リハビリ看護センターフロンティアの斎藤さん(男性)が訪問リハビリにやってきた。
斎藤さんははじめてであるが話しは他の療法士さんから聞いていた。
斎藤さんはこの地域に訪問リハビリと訪問看護を定着させようと有志を募って
フロンティアを立ち上げた理学療法士である。

先週のリハビリで金さんが少し無理をしたため首の筋肉痛が何日間も続いたので、
斎藤さんに話して少し手心をしてもらうことにした。
例によって開始前にベッドに上向きに寝ている金さんの血圧と脈拍の測定をする。
今朝寒かった割に血圧が安定している。
どちらも基準値の範囲内であり、体調は今日もいい。
斎藤さんと話しながら、両足と両手の運動とストレッチをする。
ベッドの上で自分だけでも運動を時々やるようにしているが、
こうして訪問リハビリの理学療法士や作業療法士にコツを教えてもらいながらやる
運動(腹筋を強くするための運動とかお尻の筋肉にも効果がある運動など)は、
自分でも何か効果が違うような気がするから不思議である。
リハビリが済んで廊下に置いてある妻の和さんが作ったお立ち台を見てもらう。
金さんは毎日10分間このお立ち台に立つようにしているが、
重力を利用しているので足の筋肉を伸ばすには無理が無くていい。
また立ちながら同時に発声練習もできるのでこれからも続けたいと思う。

  
 
和さんが作ってくれたお立ち台、重いので持ち運びに便利なように裏に持つところがついている。
(画像左側が表、右側が裏)

訓練が終わると、もう一度血圧と脈拍の測定をしてこの日の訪問リハビリが終わった。

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第二回訪問リハビリ 2003.10.13 (月)

朝、リハビリ看護センターフロンティアのSさん(女性)が訪問リハビリにやってきた。
Sさんは理学療法士である。

Sさんも、少し話しをしてからリハビリを開始した。
例によって開始前にベッドに上向きに寝ている金さんの血圧と脈拍の測定をした。
どちらも基準値の範囲内である。体調はいい。
話しながら、腹筋を強くするための運動とお尻の筋肉にも効果がある運動なども教えてくれた。
この日は特に体調が良かったので、少し調子に乗りすぎたらいい。
腹筋の運動をやっているときには何ともなかった筋肉の痛みが、午後から出て翌日まで続いた。
金さんが普段妻に手を引いてもらい四点杖で歩いている様子をSさんも見てくれた。
そして、足のぶんまわしもないし、ていねいに歩いているとほめてくれた。
手すりを使っての運動も教えてくれた。
お尻の筋肉を鍛えるには、運動するときお尻をつぼめるのがコツのようだ。
訓練が終わると、もう一度血圧と脈拍の測定をしてこの日の訪問リハビリが終わった。

金さんは、無理をして頑張りすぎずにやっていこうと反省している。

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訪問リハビリ・・・第一回 2003年10月6日  月曜日

リハビリ看護センターフロンティアのKさん(男性)が訪問リハビリにやってきた。
Kさんは作業療法士だという。
少し話しをしてからリハビリの開始である。
訪問リハビリの契約書で、訪問時の血圧や脈拍が基準値の範囲内でない場合には訓練を中止することになっている
ので、Kさんは先ずベッドに上向きに寝ている金さんの血圧と脈拍の測定をした。
どちらも基準値の範囲内なのでリハビリ訓練を始めた。
まだ、金さんの具体的な「訪問リハビリ計画」を作成してないのだろうか。
リハビリ計画の作成には、金さんの現在の状況を監察したり、金さんや妻の話を聞く必要があるので、自分もベッドに
乗って金さんの手や足を動かしてみる。
「このくらいで痛くありませんか?」「無理をすると良くないので教えてください。」
と言って続ける。
質問や話しをしながら腹筋を強くするための運動や、お尻の筋肉にも効果がある運動なども教えてくれた。
訪問リハビリのない日にも自分でやればいいと言う。
また、普段妻に手を引いてもらい、四点杖で歩いている様子も見てくれた。
足のぶんまわしもないしていねいに歩いているとほめてくれた。
訓練が終わると、もう一度血圧と脈拍の測定をしてこの日の訪問リハビリが終わった。

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訪問リハビリの開始 2003年10月05日 日曜日

金さんは介護保険で要介護3の認定をもらっているので、
○訪問介護(ホームヘルプサービス)、
○訪問入浴介護、
○訪問看護、
○訪問リハビリ
○通所介護(デイサービス)、
○通所リハビリ(デイケア)、
○居宅療養管理指導
などの居宅サービスを支給限度額の範囲内で利用することができる。
今年4月から妻が家にいるようになったので、一年間お世話になった訪問介護(ホームヘルプサービス)の
家事援助(ヘルパーさんによる調理や掃除など)サービスを中止した。

今年は代わりに訪問リハビリを利用することにした。
問題は訪問リハビリをしてくれるところがこの地域にあるかどうかである。
金さんのように訪問リハビリを希望する人は多いと思われるが、この地域でリハビリが定着していないためか
事業所の立ち上げが遅れている。
昨年、契約している介護保支援専門員(ケアマネージャー)に相談した時は、通所ならあるが訪問リハビリを
やっているところは無いと言うことだった。
それが、今年の春訪問リハビリをやるところができたのである。
リハビリ看護センターフロンティア という埼玉県久喜市にできた事業所である。

訪問リハビリをやってくれる事業所が見つかったので、介護支援専門員(ケアマネジャー)に連絡して
介護サービス計画に訪問リハビリを入れてもらうことにした。
介護保険は、要介護認定の限度額の範囲内なら、利用者が自らサービスの種類を自由に選ぶことができる
制度なので、「訪問リハビリを利用したい」という自分の希望を介護支援専門員にはっきりと伝えたのである。


主治医の指示書やフロンティアへの連絡を介護支援専門員(ケアマネジャー)がやってくれて、10月の介護
サービス計画 が作成された。
2003年9月28日(日)の午後フロンティアの理学療法士(PT)と事務長が契約書指定訪問看護重要事項説明書
を持って来宅して訪問リハビリの説明をしてくれた。
説明を聞いて10月から週1回お願いすることにした。第1回は10月6日である。
いよいよフロンティアと契約書の締結をして訪問リハビリがスタートする。

 

(介護保険のサービス)

・ 訪問リハビリ

心身の機能の維持や回復のために、理学療法士や作業療法士が家庭を訪問してリハビリテーションを行う。

具体的には、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)が、利用する人のかかりつけの医師の
指示に基づいて家庭を訪問して、心身の機能の維持や回復を図るためのリハビリテーションを行うサービス。


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はじめに
 

二年前(2001年)に退職して終日家で暮らすようになってから
車椅子生活をしている足とかお尻など下半身が目に見えてやせてきた。
普段起きている時間の大半を車椅子から書斎の椅子に移り、パソコンに向かっている
時間が多いのできっと運動量が足りないのだろう。
家の中の移動はほとんどを簡易型の電動車椅子に頼り、通路が狭く車椅子では行けない
トイレと風呂場ぐらいしか四点杖で歩いていないのだから無理もない。
「お尻の筋肉が痩せすぎたたのではないか?」と最初に気が付いたのはトイレだった。
トイレの便器に長時間座っていると骨が当たるようでお尻が痛くなった。
その時「どうしたのだろう!」と気懸かりになり、
その夜入浴の時に鏡に映る痩せた自分の肉体を見て「これではいけない!」と思った。
風呂場の鏡に、痩せてお尻がない貧弱な肉体が映っている。

お尻が痩せたのは、車椅子生活をしているので運動不足になり、
足やお尻の筋肉が痩せてきたのが原因だと察しが付いた。
ただ、車椅子生活になったのは1994年なのに、
お尻に肉が付いていないと気になったのはつい2,3年前である。
二回目の脳出血で倒れた後も体重が以前とあまり変わらなかったので、
運動不足もそれほど気にならなかった。
しかし、お尻が痩せて日常生活に支障がでてくるとそうも言っていられない。
足やお尻の筋肉を鍛えお尻を太らせる運動にはどうすればいいか?
素人なりに運動量を増やそうと考えた。

最初は広い体育館でなくても家庭でもできるだろうと、
契約している介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談し
エルゴメータを借りて使ってみたが効果がない。いや正確に言うとそうではない。
その時は妻も勤めていたので昼間は金さんが一人で留守番をしていたので、
せっかくのエルゴメータが一人では危なくて使うことができないのである。
かといって、遠距離通勤の妻の帰宅時間は遅く夜に使うことはできない。
週末は妻の仕事は一段と忙しい。
金さんと当時入院していた妻の母の介護があり、家の家事や田畑の仕事もいろいろあった。
結局、家庭で介護者が誰もいないときにエルゴメータを使うのは無理なことがわかり
エルゴメータはあきらめた。
次に廊下の手すりと四点杖を使い歩いてみた。
しかし、手すりが短く歩行の訓練には物足りない。
また、昼間一人では危ないのでだんだんに歩かなくなった。

2003年3月に妻が仕事を辞めて4月から家にいるようになったので、
手すりと四点杖を使っての歩行訓練を再開した。
また、病院のリハビリテーション科で通称「お立ち台」と呼ばれている台に
似た台を妻が作ってくれたので、毎朝、10分間乗っている。
だが、いろいろやっている割には「お尻を太らせたい!」という希望が実現しない。
「やせた肉体を改造しかつ屋内の平らなところをもう少し四点杖で歩きたい!」
そのためにリハビリテーションの専門の先生から指導を受ける方法を考えた。
そして、介護保険のサービスから「訪問リハビリテーション(訪問リハビリ)」をやってくれる
ところを探してやってもらうことにした。

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